Up 「寛政蝦夷乱」(1789) : 要旨 作成: 2018-12-09
更新: 2018-12-09


    ヒグマにとって,人は恐い存在である。
    人の気配を感じると,その場から去る。

    退去が間に合わないときは,自分の気配を消して隠れる。
    人は,ひぐまが隠れて自分を見ていることに気づかず,通り過ぎる。

    人と出会い頭に遭遇すると,恐怖のパニックから,やけくそで攻撃をかける。
    そして,結果,人をやっつけてしまう。

    一度これをやると,人は恐れる存在でなくなる。
    このヒグマは,人を襲うヒグマになる。


    歴史的経緯から,アイヌにとって和人は畏/恐れる存在になった。
    アイヌは,和人に対し敬虔/従順に振る舞う。

    和人の粗忽な者は,アイヌの従順を,アイヌの弱さと勘違いする。
    そして,偉そうに振る舞ったり,いじめたり,理不尽なことを平気でやるようになる。

    この振る舞いが昂じると,そのアイヌは身の危険を感じるようになる。
    そしてついに,やけくそで攻撃をかける。
    そして,結果,和人をやっつけてしまう。

    一度これをやってしまうと,和人は恐れる存在でなくなる。
    そのアイヌは,和人を攻撃しようと思えば攻撃できるアイヌになる。
    攻撃の理由は,「悪者をやっつける」である。


    「寛政蝦夷亂」(1789) は,このような事件である。
    この反乱は,反乱アイヌの所属する部族の長がこれをやめさせることで,収まる。