Up 辺境「蝦夷」: 要旨 作成: 2018-11-24
更新: 2018-11-24


    ひとは,今の常識で物事を考える。
    ひとが「蝦夷」を考えるときは,こうなる。

    今日,「辺境」は存在しない。
    テクノロジーが,「辺境」を無くしたのである。
    翻って,テクノロジーの貧弱な時代は,「辺境」はそのままに保たれる。

    松前藩の蝦夷統治政策は,《和人をアイヌと接触させない》であった。
    ひとは,この意味を取り違える。
    これの本質的な意味は,《和人とアイヌの接触は,まっとうなものにならない》である。

    まっとうなものにならない理由は,第一に交通である。
    当時のテクノロジーでは,和人に<アイヌと接触して一儲け>を許せば,それはひどいギャンブルになる。
    「入植」も,アイヌの助けを得なければ──即ち,アイヌに同化するという形でしか──叶わぬことである。

    政治は,制御できないものには「禁止」でのぞむ。
    これが,松前藩の《和人をアイヌと接触させない》である。