Up コンプライアンス時代への適応 : 要旨 作成: 2019-10-24
更新: 2019-10-24


    「アイヌ予算」執行機関が,ある「アイヌ館」に予算をつけるとする。
    申請した必要経費とその内訳に対し,相応の額をつける。
    これは申請したもん勝ちになる。
    <馴れ合い>と<丼勘定>で,利権の温床になる。

    ここに,「コンプライアンス」が入ってくる。
    「アイヌ館だ」と言うだけでは金が下りなくなる。
    「アイヌ館」として確かに機能していることを示さねばならなくなる。
    確かに機能していることの直接的証しは,訪れる人の数である。
    経費申請では,過去の実績を人数で示し,これだけの金を与えてくれればこういうことができるようになり,その結果人数はこれだけ伸びることが見込める,を記さねばならない。
    また,途中経過の報告も求められてくる。

    「アイヌ芸」も同様である。
    「このような催しをする」と言うだけでは,金は下りない。
    過去の実績を示し,これだけの金を与えてくれればこういうことができるようになり,その結果人数はこれだけ伸びることが見込める,を記さねばならない。

    これは,"アイヌ" にとって負担が大きい。
    そこで,「アイヌ文化振興事業」を運営する機関を立て,「アイヌ」の仕事とその報酬を定め,「アイヌ」役を "アイヌ" に割り振るというシステムをつくることになる。
    この機関は「法人」格で立てられ,"アイヌ" はこの法人に雇われる格好になる。


    「アイヌ文化振興事業法人」は,いまの「運上屋」である。
    運上屋を強制労働の場のように教えられてきた者は,「アイヌ文化振興事業法人」が強制労働の場かどうか,とくと考えるがよい。
    運上屋が成ったのには,アイヌがこれを都合のよいものとしたことがベースにある。

    学生は,進路を自営より雇われを選ぶ者が多い。
    なぜか。
    雇われを選ぶ方が気楽だからである。
    (ただし<気楽>は,これとトレードオフしているものがある。)