Up | 蝦夷地防衛政策でのアイヌの位置づけ | 作成: 2017-02-26 更新: 2017-03-26 |
蝦夷地防衛政策でのアイヌの位置づけは,このようになる。 即ち,アイヌを国民として外に──特に,蝦夷地を領土に狙っているロシアに──示していく,というものになる。 政府がこの場合懼れるのは,アイヌがロシアになびく気配を現すことである。 アイヌ統治は,和人がアイヌをますます見下すように進行してきた。 政治は,アイヌの反抗を危惧せねばならない。 こうして,アイヌ懐柔の方針を改めて立てることになる:
そしてその上で,アイヌを国民にすることとして,アイヌの同化を政策にする。 こうして,アイヌは,<終焉>を運命づけられる。 アイヌにおいては既に商品経済の滲透 (和人製品依存および被雇用労働) が進んでいたが,これだけではアイヌの漁猟採集生活が急速に終わりになるというものではなかった。 ──実際,その商品経済は,アイヌがアイヌであることを利用するものであった。 しかし,外患によって事情は変わる。 蝦夷地は辺境のままにしておいてはならず,アイヌはアイヌのままにしておいてはならない,となったのである。 |