Up 「アイヌ系統者」を講ずる : 要旨 作成: 2016-11-20
更新: 2017-03-24


    「アイヌ」とは,北海道史の歴史区分に出てくる「アイヌ文化期」の「アイヌ」のことである。
    「アイヌ文化期を生きた者」が,「アイヌ」の意味である。
    このアイヌは,既に終焉し,いまは存在しない

    「終焉」の意味は,「アイヌの漁猟採集生活の終焉」である。
    終焉させたものは,明治新政府の「入植」政策である。

    和人の入植は,アイヌの漁猟採集生活を成り立たなくする。
    政治は,「生活崩壊のアイヌ」に対策せねばならない。
    その政策は,「同化」政策である。

    「同化」は,アイヌがアイヌでなくなるプロセスである。
    ここで「アイヌではなくなるアイヌ」の言い回しは,矛盾である。
    ここに「アイヌ系統者」──「先祖にアイヌがいる者」──のカテゴリーの出番となる。

    「アイヌ保護政策」「アイヌ法」「アイヌ利権」といったのことば中の「アイヌ」は,「アイヌ系統者」のことである。


    "アイヌ民族"否定は,作法として,「アイヌ系統者」を講じる。
    "アイヌ民族" 派は,「アイヌ」と「アイヌ系統者」を一緒にし,自ら混乱するとともに,この混乱を利用するからである。