Up 土人と呼んで差別 作成: 2017-02-01
更新: 2017-03-29


    「アイヌ特権」を立てようとする者は,「アイヌ特権」を合理化しなければならない。
    彼らは,「アイヌ特権」の合理化として,「蔑視」「薄遇・冷遇」「苛虐・虐待」「迫害」の意味の「アイヌ差別」を訴える者になる。
    そしてこのとき,デマゴギーをやることになる。

    彼らは,『旧土人保護法』の「旧土人」のことばに目をつける。
    つぎのフィクションをつくり,ひとにこれを差別語と思わせる:
      和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した
    そしてこのプロパガンダは,功を奏する。


    同化派 "アイヌ" は,ひとから「アイヌ」扱いされたくないアイヌ系統者である。
    彼らは,『旧土人保護法』をつぎの意味で「アイヌ差別」であるとする:
      「アイヌ系統者を特別扱いしている」
    そして,これの廃止を願う/求める者になる。

    一方,民族派 "アイヌ" は,「アイヌ系統者を特別扱いしている」を必要とする者である。
    そこで,彼らの『旧土人保護法』に対するスタンスは,これを欠陥法とし,これに換わる「新法」の実現を願う/求めるというふうになる。
    そして,『旧土人保護法』の「欠陥」に,「アイヌ差別」を用いようとする。
    即ち,つぎの理屈を立てて,『旧土人保護法』を「アイヌ差別」であるとする:
      「アイヌを "土人" と呼んで差別している」

    同化派 "アイヌ" と民族派 "アイヌ" の立場は,正反対である。
    実際,この二者は,対立する。
    しかし,同化派 "アイヌ" は,同化の進捗により "アイヌ" シーンから消えていくものである。
    "アイヌ" シーンには,民族派 "アイヌ" が残る。
    "アイヌ" シーンは,民族派 "アイヌ" の独壇場になる。

    ウタリ協会は,この民族派 "アイヌ" の基地の意味になる。
    ウタリ協会は,「和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した」のデマゴギーをプロパガンダするものになる。


    「旧土人」の用語の経緯は,はっきりしている:
    それは,明治11年11月4日付本支庁宛の「第二十二号達」である:
      旧蝦夷人ノ儀ハ 戸籍上其他取扱向一般ノ平民同一タル勿論ニ候得共 諸取調者等区別相立候節ノ称呼一定不致候ヨリ 古民或ハ土人旧土人等区々ノ名称ヲ付シ不都合候条 
    自今区別候時ハ 旧土人ト可相称 
    但旧土人ノ増減等 後来ノ調査ニ差支サル様 別ニ取調置へシ

    この文言の中の「土人」「旧土人」に,「差別」の意味合いは無い。

    そして,『旧土人保護法』は,文字通り「保護法」である。
    したがって,『旧土人保護法』を「悪法」にみせるプロパガンダは,図に乗るとしくじる。
      歴史教科書攻撃