Up 第1,2,3次補正予算による債務計 136.3兆円 作成: 2020-12-09
更新: 2020-12-09


      読売新聞, 2020-12-08
    73.6兆円対策決定
    政府は8日の臨時閣議で、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、事業規模73・6兆円の追加経済対策を決定した。 2020年度第3次補正予算案と21年度当初予算案を「15か月予算」と位置付け、地方負担分を含めて財政支出は40兆円となる。‥‥
     ‥‥‥
     財政支出 40兆円のうち、国の歳出は 30.6兆円、地方が1.7兆円を占め、残る7.7兆円は国が資金を調達して低金利で貸し出す財政投融資を活用する。これらに金融機関の貸し出しなどを含めた事業規模は、総額で 73.6兆円となる。
     政府は追加経済対策に伴う予算措置として、来週にまとめる3次補正予算案の一般会計に19.2 兆円、特別会計に1兆円の計上を予定している。


    第1, 2, 3次補正予算の規模を,表にして示す:
補正予算
(閣議決定)
第1次
(4月7日)
第2次
(5月27日)
第3次
(12月8日)
事業規模
(財政支出  
+民間融資等)
117.1 兆円
(48.4兆円  
+68.7兆円)
117.1 兆円
(72.7兆円  
+44.4兆円)
73.6 兆円
(40兆円  
+33.6兆円)
財政支出
(国費(真水) 
+財政投融資)
48.4 兆円
(33.9兆円  
+12.5兆円)
72.7 兆円
(33.2兆円  
+39.3兆円)
40 兆円
(32.3兆円  
+7.7兆円)
161.1 兆円
(99.4兆円  
+59.5兆円)
国費(真水)
(補正予算  
+地方支出等)
33.9 兆円
(27.5兆円  
+6.4兆円)
33.2 兆円
(32兆円  
+1.2兆円)
32.3 兆円
(20.1兆円  
+12.2兆円)
補正予算
(一般会計  
+特別会計)
27.5 兆円
(25.7兆円  
+1.8兆円)
32 兆円
(31.9兆円  
+1.1兆円)
20.1 兆円
(19.2兆円  
+1兆円)
債務
(国債発行  
+財政投融資)
38.2兆円
(25.7 兆円  
+12.5兆円)
71.2 兆円
(31.9 兆円  
+39.3兆円)
26.9 兆円
(19.2兆円  
+7.7兆円)
136.3 兆円
(76.8兆円  
+59.5兆円)

    補正予算は,「財政支出」の項目がこれに当たる。
    財政支出に民間融資を加えた「事業規模」の項目を設けているのは,事業を大きく見せたいからである。

    財政支出は,国債と財投債で賄う。
    財投債は,国債である。
    財投債を国債ではないと偽っているのは,国の債務に計上したくないからである。

    予算で項目が複雑に立てられるのは,財政が色々と歪んでいるからである。
    また,財政の歪みが見えないよう,目くらましとして,項目をことさら複雑に立てている──ということもある。


      共同通信, 2020-12-09
    政府税収、8兆円程度下振れの見通し
     政府の2020年度予算の一般会計税収が当初見込みより8兆円程度下振れて 55兆円程度となる見通しであることが9日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で企業業績が悪化したことなどが要因。  

    2020年は,新型コロナ財政出動だけで,税収2年分を超える額の金を支出したわけである。
    これでもなお「財政健全化」を唱える者は,さすがにいるまい。
    財政の今後は,「財政健全化」を虚言と定めて考えていくのみである。