Up 若さ=前のめり 作成: 2020-06-28
更新: 2020-06-28


    現北海道知事の資質は,<若い>である。
    <若い>は,<前のめり>である。
    <前のめり>は,<目の前に出されたものに直ぐにとびつく>である。
    信じやすく,騙されやすい。
    <善は急げ>となって,拙速をやってしまう。

    経験を積むとは,拙速の失敗経験を積むということである。
    拙速は,これで何回も痛い目にあって,ようやくわかるというものである。
    年寄りが慎重なのは,拙速で何回も失敗してきているからである。
    緩慢なのは,その経験によって「ほどほど」を知るようになったからである。
    若い者は,その慎重・緩慢を<事なかれ主義>とか<愚図・鈍感>に見る。
    そこで自分は彼らとは違うというところを見せようとして,よけい拙速をやってしまうことになる。

    北海道の緊急事態宣言は,厚労省クラスター対策班のメンバーから提言を受けたその日に,発表していることになる。
    そして,翌日には首相と面会して,「重点対策地域」の指定を要請している。
    随分なハイテンションの状態にあったわけだ。
    まあ,むりもないが。


    政治権力が怖いのは,こういうことがあるからだ。
    ひとりの個人の資質で,戦争が起きてしまうことがある。
    複雑系科学で謂う「創発 (emergence)」があるわけだ。

    かくして北海道は,「終わらない戦争」に入って行く。
    感染者,クラスターなんぞは,ほじくればいつでも・いつまでも出てくる。
    「新たな感染者0」を発表している自治体は,感染者をことさらほじくろうとしないから「新たな感染者0」なのである。

    観光を資源にして北海道経済を盛り上げようという構想を,自分でひっくり返した。
    世話はない。
    失敗経験は,ふつうは「いい薬」「授業料」の表現になるものだが,この度は「馬鹿な戦争をやったもんだ」の表現になるのみである。