Up ♀の窓蹴り 作成: 2020-02-29
更新: 2020-10-10


    ボソ01 の観察実験では,餌で釣るということをやる。
    これにより,ボソ01 にとってわたしは,「餌をくれる者」という存在になる。
    こうしてボソ01 は,「餌をくれ」アピールを,振る舞いで示してくる。
    その振る舞いは,《近くに来て佇む──自分がいることを見せる》である。

    はじめのころは,積極的にアピールしてくるのは専ら♂であった。
    その後♀も,♂を真似るふうに,だんだんとアピールするようになってきた。

    それが,鏡の実験をするようになってからは,♀が積極的にアピールする方になった。
    その振る舞いも,《窓の前をホバリングし,窓を足で蹴って音を立て,自分の方に向いてもらう》というものである。
    ♂は,これはやったことはない。


    実際,鏡の実験をするようになってから,餌やりに応ずる♀の行動が積極的になってきた。
    鏡に対しては♀が積極的に,♂が消極的にそれぞれ振る舞うが,この違いが,餌やりに対し♀が積極的に行動することにシフトした,といった感じである。

    即ち,♂がたいてい先になるのはこれまで通りだが,そのとき♀は「ギャーギャー」鳴く。
    ずっと観察していて,この声は「自分も欲しい」であると判じられる。
    そして,これまでは♂の後ろでただ待つというのが多かったが,積極的に横で餌をとるようになった。 (これには,餌の置き方を<細かくして拡げる>に変えていったことにも一因があるが。)
    さらに,競って餌を取りに行くというのも,よくやるようになった。


    ♀の<窓を蹴る>では,♂は電柱/電線にとまってこれを見ている。
    《餌が出てくれば取りに行く》の構えである。
    ただし,♀の<窓を蹴る>は,♂のいないときがある。
    これなぞは「♂のいぬ間に」をやっているように見えるが,いまのところわからない。

    というのも,♀は,置かれた餌に向かうときは,♂がいっしょでないと恐いようなのである。
    《♂を先に行かせ,その後に続く》というふうになる。。
    ♂がいないときは,鳴いて♂を呼ぶ。
    この点では,♀の<窓を蹴る>は♂と♀の「分業」──♀が餌を催促し,♂が餌を回収──をうかがわせる。

ホバリングして窓を蹴る
2020-03-03



2020-03-05
 



    2020-04-17
    ♀が窓を蹴る行為は,これを無視することによって,段々と減り,そして無くなった。
    無効な行為であることを学習した?
    鏡の実験が無くなったことが関係しているのか?
    ──そもそも,窓を蹴る行為は,餌をねだる行動ではなく,鏡を要求する行動だった?
    それとも,繁殖期に本格的に入ったことが関係しているのか?


    2020-08-20
    いまは,以前の臆病な♀にすっかり戻っている。


    2020-10-10
    2020-08-20 で,♀の窓蹴りは無くなったと書いたが,また復活している。
    育雛期間中は収まっていた,ということのようだ。
    子どもの教育に悪いことはしないということか?