Up 威嚇に対し近接声かけすると‥‥ 作成: 2023-07-16
更新: 2023-07--16


「隣のハシブトガラス」

    2023-07-13, 「隣のハシブトガラス」 (以下「ブト」) の親2頭と雛3頭が,揃って塔の上にいる。
    給餌をしており,塔を育雛拠点の一つに定めている(てい)である。

    そこで塔を上っていくと,案の定,親2頭が威嚇の声をあげ,近くを飛び跳る。
    雛3頭は,離れた電線に退避。

    塔の上でのブトとの間隔は,1〜2m の範囲。
    この近接で,ブトの目を見てなだめる風に声がけをする。
    これを続けていくと,威嚇の声をあげ飛び跳ねるパフォーマンスがだんだんと低調になり,最後は緩い「グルルル」の声を間歇的に発するだけになる。
    そして,終に2頭が飛び去る。

    その後どうなったか。
    ブトが塔に来ることが無くなった。


    ここで,何が起こったのかを考えてみる。
    雛は退避しているので,ブトの威嚇は雛を守ろうとするパフォーマンスではない。
    ブトの威嚇は,「ここは自分たちの場所だ!去れ!」であることになる。

    このパフォーマンスに対しずっと声がけをした結果,ブトが去り,その後塔には来なくなった。
    これは,ブトが「塔は観察者の場所」と定めた,ということになる。


    カラスには,「なわばり」の概念がある。
    そこで,ある場所にカラスを入れなくするには,この概念を利用すればよいことになる。

    いまはナツグミの実がなる時期で,ブトはこれを取りに来る。
    ブトが実を取っているところに近づくと,威嚇の声を上げる。
    これは「ここは自分の場所だ!去れ!」を言っているわけである。
    ここでもし,脚立を置き,これに上って近接でブトに声がけを続ければ,おそらく塔の場合と同じようになるのだろう。

    この後も実を取りに来ることがあっても,それは「盗む」というモードでやっていることになる。
    取っているところに近づけば,今度は威嚇の声を上げるのではなく,すぐ退却することになるだろう。

    これについては,推測のみ。──実験は,ブトが気の毒なので,控える。
    各位,自ら試されたし。