Up ブト──ボソの隣のカラス (ハシブトガラス) 作成: 2019-03-06
更新: 2024-01-28









    解説
    ブトは,ボソ となわばりが隣合うハシブトガラスのことである。
    カラスは見分けが困難なので,頻繁に接しているうわけではない「隣のハシブトガラス」は,個体が変わってもわからないというものである。

    隣のカラスは,繁殖期には自分のなわばりに籠もり,うち (ボソ のなわばり) の方には姿を現さない。
    子どもが巣離れして巣外育雛の時期になると,うちの方に姿を現すようになる。 ──これはつぎの年の繁殖期開始前まで続く。

    隣のカラスは,わたしがボソに供物をしているのを見ているので,わたしが塔に上がっているときは,そばにやって来て,供物をねだる甘えた鳴き声やしぐさをすることがある。
    ボソ は,コミュニケーションに鳴き声を用いることはしない。
    <人になつく>という傾向性は,ハシブトガラスの方が強いようである。
    カラス研究の実験室で飼っているカラスも,おそらくハシブトガラスだろう。

    ボソ の♂は,自分のなわばりでは,隣のハシブトより強い。
    じゃまなときは,追い払う。
    一方,ボソ のメスは,ハシブトが苦手である。
    餌をとろうとしているところにハシブトがやって来そうになると,♂が一緒でも,独り逃げ出す。