Up 工作 作成: 2021-03-16
更新: 2021-03-16


    動物は,それぞれがスペシャリストである。
    動物それぞれが現してくる行動は,どれもひとが追従できないものである。
    動物の知能は,それぞれに底知れない。
    ただ,ひとにはこれを見て取る能力がない。

    ひとの「知能」観は,人間中心である。
    ひとが動物の知能を評価するときは,人間に近い行動を示してくることを「知能が高い」とする。

    「カラスは賢い」は,この類である。
    実際,「カラスは賢い」の話では,「カレドニアガラス」──枝や葉を工作して,穴から虫を釣り上げる道具をつくる──を取り上げるのが定番になる。

    これを人間にあてはめれば,漁猟をする人間が賢いということになる。
    事実は,漁猟をする・しないは,能力の話ではなく,選択の話である。文化の話である。


    3月に入ると,ハシボソガラス01 の♂が枝を嘴にくわえていたり,また枝を嘴で折っている姿が,見られるようになる。
    その枝は,巣材にするものである。

    ところで,折った枝はそのまま巣に運ぶというのではない。
    ボソ01♂ は,整形の工作をやり出す。
    頭の中に「求める形」があるわけだ。


    ちなみに,ボソ01 の巣作りは,忙しくしている様子がない。
    ゼロから作るというのではなく,これまで使ってきている巣の改修なのだろう。 (ボソ01 との関係を損なわないため,巣については──場所も含め── 調査しないことにしている。)