Up | 「津波防災専門家」は,津波を知らない | 作成: 2023-11-13 更新: 2023-11-13 |
専門家を知らない者は,彼らに頼って,騙される。 専門家を知る者は,彼らの無知を知っている。 専門家の無知は,《肝心なところがスポッと抜け落ちる》タイプの無知である。 「津波防災」で登場してくる専門家の無知は,津波を知らないという無知である。 (堤防を高くしても,その分のぼるだけのこと) 津波を防潮堤で阻もうとするのは,川を堰き止めようとするのと同じである。 川に堰を立てるとどうなるか。 水は堰を越える。 ダムは,堰ではないことに注意。 水が流れてくる分だけ放水することで,水の高さが保たれている。 防潮堤が津波に越えられないためには,流れてくる分だけ防潮堤の内側に放水しなければならない。 流れてくる水に対し堰を立てるとは,こういうことである。 ビーバーは,これを知っている。 川で石の堰をつくって遊ぶ子どもたちは,これを知っている。 「防潮堤を越えた津波の高さがこれだけだったから,12.5 m の防潮堤だったらだいじょうぶ」の専門家は,これを知らない。 来る首都直下地震津波についても,専門家は相変わらず同じことを言っている:
ダムは,水の流れてくる分だけ放水している。 これをしないで水をあふれさすとどうなるか? 落下水はダムの下辺で大きな力になるので,ダムはそこから壊れていく。 そして決壊に至る。 防潮堤の津波による決壊は,これである (「地盤の洗掘」)。 津波は止めようがない。 津波は,<止める>を考えるものではない。 津波に対しては,<身をかわす・津波をやり過ごす>を考えるのみである。 |