Up 無駄遣い財政──その理由 作成: 2023-06-23
更新: 2023-06-23


    税収は,令和5 (2023)年度見込が,69.4 兆円
    このうち
        所得税 21.0 兆円
        消費税 23.4 兆円
        法人税 14.6 兆円
        ──以上の計:59.0 兆円

    これに対し同年度の歳出は,一般会計歳出で 114.4 兆円,特別会計と合わせて 253.6 兆円
一般会計予算 (単位:億円)
一般会計・特別会計の歳出純計
(財務省「日本の財政関係資料 (令和5年4月)」)


    財政がこの調子でやってきたことによる国の債務状況は:

    ここで「内国債」が「普通国債」と「財投債等」の和であることに注意。
    通常見る「国の借金」グラフは,つぎの「普通国債残高の累増のグラフ」である:
(画像クリックで拡大表示)

(財務省「日本の財政関係資料 (令和5年4月)」)


    日本の財政は,なぜこんなふうなのか?

    日本の財政は,昔は大蔵省が担当していた。
    いまは,官邸が仕切るようになっている。
    「大蔵省から官邸へ」のように推移してきたのである。

    ここで「大蔵省」は,「官」である。
    これに対する「官邸」は何かというと,「民=利権」である。
    「官」に対し「民」が伸してきた。
    小泉=竹中内閣は「規制緩和」がスローガンになったが,その「規制緩和」の意味は「反<官=規制>」である。


    官邸は,「有識者会議」を手法にする。
    「有識者会議」の実態は,利権者会議である。

    「新型コロナ」のときは,対策費として百兆単位の予算を立てた。
    ただの風邪を「パンデミック」に装って,医事薬事利権が好きなように金をぶんどったわけである。

    「復興予算」というのも,ひとが思っているようなものではない。
    利権が金をぶんどろうとする場である。
    要らぬことに金が使われ,「復興」はわけのわからぬ方向に進む。

    「軍事予算」もそう
    「脱炭素プロジェクト予算」もそう。
    そして,言うまでもなく最もたちが悪いのが,「社会保障予算」。

(財務省「日本の財政関係資料 (令和5年4月)」)

    歳をとれば,体が弱り壊れる。そして死ぬ。
    医事薬事利権は,あの手この手を使って,このアタリマエをひとが受け入れないよう仕向ける。
    そして医療・薬漬けにする。
    医療・薬漬けになって死に損なう者は,併せて介護利権の餌食になる。


    そんな利権がいま困っているのが,「少子化」である。
    毎度の歳出大超過による国債・借入金額の右肩上がりは,出生数の右肩下がりに対し,理屈が立たないのである。

出生数の推移
厚労省『人口動態調査』(2021年)「年次・性・年齢別人口 (1) 総数」
の数値をグラフに:


    財政の官主導から民主導への移行は,これまで親 (官) に金をねだっていた子ども (民) が,自分の好き勝手に金を使えるようになったということである。
    自分の好き勝手に金を使えるようになった子どもは,浪費三昧になる。

    鳥の種を鳴き声で同定するように,利権をそれの鳴き声で同定することができる。
    その鳴き声は,「待ったなし」である。
    利権は,「待ったなし」を唱えて,金をぶんどろうとする。
    「新型コロナ」のときは,この鳴き声がやかましかった。
    いまは「地球温暖化」や「少子化」で,この声がやかましい。

    彼らの「待ったなし」をくれぐれも信じぬこと。
    それは,金を自分の好きなことに使おうとする子どもの,常套句である。