Up 米国発ITベンチャーの発想・思考法 作成: 2008-11-14
更新: 2008-11-14


    IT業者と付き合うときは,彼らの文化を知っておくことが必要である。
    そして,これを知る上で,米国発ITベンチャーの文化──「米国流」──を理解しておくことが必要である。


    「米国流」は,世界制覇主義である。
    マイクロソフトやグーグル,かつてのライブドア等に典型的に見られるように,何でも自分のものにしようとする (自分を世界のスタンダードにしようとする) のが「米国流」である。
    「自分の持ち分を限定する──自分が何かを持たないということを大事にする」という思想が,「米国流」には無い。
    「米国流」では,世界の資産を自分のもとに集め,仕切ることが,夢見られる。 特に,世界の情報を自分のもとに集め,仕切ることが,夢見られる。

    「米国流」の「世界制覇」は,「自分が理想社会のスタンダードをつくる」という理想主義に発する。 特に,「世界の王になって,ひとを自分にかしずかせる」という覇権主義とは,(結果として重なることはあっても) 違っている。
    「米国流」には,他者がない。 自分と,自分が恩恵を施す対象である大衆,の2つしかない。
    「自分が理想社会をつくる。恩恵をすべての人に及ぼさねばならない。」という思考法から,「世界制覇」に向かう。
    米国の<身勝手>は,まさにこの世界観に因っている。


    「世界制覇」では,自分を中心に置いた<集中>の世界の構築が行われる。
    <集中>は,効率化の実現になる。
    この効率を欲しがって,向こうの方から「世界制覇」に嵌りにやってくる。

    現在,「クラウド (cloud)・コンピューティング」という名の「世界制覇」が進行している。
    日経BPなどは,これの旗振り役を自分の仕事と定めている。これをビジネスにしようとしているわけだ。( クラウド,台頭!)

    総じて,人/組織の知性・見識が,
    1. 効率を得るために,「世界制覇」に降る
    2. 「世界制覇」に降らないために,効率を求めない
    のどちらを採るかというところで,いま試されている。
    ( アウトソーシングに嵌れば,つぎはクラウドに嵌る)