Up 失敗が忘却される/伝承されない 作成: 2006-11-13
更新: 2006-12-27


    なぜ,かつてダメ出しされたものがそのままの形で復活するのか?
    最も大きな理由が,世代替わりによる<忘却>だ。

    失敗学は伝わらず高められない,ということだ。
    翻って,「失敗学を伝えそして高める」が,学校教育論の振り子サイクルから脱するための重要な方法になる。

    これを行うのは,やはり他でもない,学校現場と学校教育の行政機関。 ここがしっかりしない限り──すなわち,「失敗学を伝えそして高める」に本当に取り組み,これを形にするということをしない限り──振り子運動は同じ調子で続く。


    しかし現実には,失敗学はつくられない。そもそも結果の総括が忌避される。
    なぜ?
    総括という行為が,自分自身や身内の批判になるからだ。
    なぜ,批判が忌避される?
    批判されることをネガティブに考える組織風土がそこにあるからだ。 失敗を「ライフサイクルの中の当然で必要な局面」ととらえ,批判を「生産的な行為」ととらえる思想が,存在しないからだ。

    実際,日本には,失敗に対しては「責任を追求する・責任を負わせる・更迭等の処分をする」のような考え方しか存在しない。 しかも今日,この考え方は,見直されるどころか,ますます強くなっている。