Up 授業観察と授業実践 作成: 2007-07-17
更新: 2007-07-17


    教育実習の学生には,「授業のまねごと」ができるようになることが課せられる。 (「授業」ではなく,あくまでも「授業のまねごと」。──実際,「授業」はプロフェッショナルの領域。)

    うまく授業することが求められているのではない。
    「授業」について学ぶことが求められている。


    学生は,自分の授業がうまくいった・いかないについて,たいてい勘違いをおかす。
    特に,授業の体裁がついた・つかないで,授業の「うまくいった・いかない」を考える。

    授業の「うまくいった・いかない」の意味は単純で,「目標に到達したか・しなかったか」。 (「よい授業」の条件)

    しかし,授業の意味や目標は,授業内容を十分理解していないととらえられない。 したがって,学生にとって,授業の意味・目標を単純・的確にとらえることは至難となる。 ──それどころか,「授業の意味・目標を単純・的確にとらえる」という考え方も,まだアタマの中に育っていない状態だ。
    こういうわけで,学生の意識・関心が専ら授業の体裁の方に向くのも,無理はない。 しかし,これは,周りの指導と学生自身の努力によって,改められねばならない。


    授業の意味・目標を単純・的確にとらえ,そのような授業ができるようになるには,主題研究と授業観察・授業実践を同時並行で積むしかない。

    学生は,「授業を<質>でとらえ得る者へと自分を成長させる」という意識で,実習中は授業観察・授業実践に努めることが肝要。 ( 授業を見る眼を養う)
    授業観察では,よい授業と同程度にあるいはそれ以上に,下手な授業から学ぶことができる。 ( 下手な授業を見て「よい授業」を学ぶ)