Up 自然破壊 作成: 2024-04-25
更新: 2024-04-25


    商品経済で生きることになった人間は,自然破壊をするものになる。
    自然破壊の内容は,生態系破壊である。
    商品経済は土壌破壊をすることになり,土壌破壊はそのまま生態系破壊になる。


    商品経済は,消費が美徳になる。
    ひとは消費に努めなければならない。
    消費を怠ったら不況になり,不況に陥ったら長く立ち直れない。
    商品経済が成り立つとは,右肩上がりが成り立つということなのである。

    消費のための消費が,善である。
    人の生活空間を拡大する建設は,善である。
    商品作物の生産拡大は,善である。
    森林を経済林化することは,善である。
    地下資源の採掘拡大は,善である。

    この消費のための消費は,土壌破壊に行き着く。
    人の生活空間は,土壌を削り,舗装をしてつくる。
    商品作物生産は,耕起や化学肥料の大量投入によって土壌を破壊する。
    経済林は,土壌が瘠せ,水侵食で土壌を無くしていく。

    露天鉱山は,そのままで土壌破壊である。
    露天鉱山でなくても,大量の岩石廃棄物は土壌の上に乗せることになる。
    ──レアアースなんかは,採掘した岩石がそのまま岩石廃棄物になる。


    土壌は,生態系である。
    地面が土であるとは,地面が生態系だということである。
    ひとが土の上に立つとき,それは生態系の上に立っているのである。
    商品経済は,この生態系を壊していく。,

    生態系を壊さない消費は,慎ましい消費でなければならない。
    人が行う土壌破壊と土壌生態系の自己再生が釣り合っていれば,土壌は保たれる。
    しかし慎ましい消費は,商品経済にとって悪である。


    人は,商品経済で生きることになった。
    商品経済は人にとって絶対である。
    よって,土壌破壊も絶対である。
    人による自然破壊は,どうしようもないことなのである。

    もっとも,これはいつまでも続けられるものではない。
    人の栄えも「久しからず」である。