Up 「CO2 排出量取引」とは何か? 作成: 2024-03-15
更新: 2024-03-15


    企業は,「脱炭素」を装う。
    企業が「脱炭素」を装うことができるのは,CO2 排出の汚れ役を他に負わせているからである。

    国や企業は,CO2 排出の上限を決められる。
    そうすると,CO2 排出を請け負っている国・企業が,ますます不公平になる。
    彼らは CO2 排出を,「脱炭素」の国・企業に代わってやっているのだから。

    彼らの CO2 排出量上限オーバーの罰金は,彼らに CO2 排出をやらせている「脱炭素」の国・企業が支払うのが当然である。
    これが, 「CO2 排出量取引」である。


    ひとは,先進国と後進国の間の「排出量取引」を,先進国が後進国に温情をかけてやっているみたいに思っている。
    大間違い。
    先進国は,自分が「脱炭素」であるために,後進国に CO2 排出を負わせている。
    先進国は,後進国が排出量オーバーで払うことになる金を,必要経費として払う立場なのである。

    「脱炭素」とは,CO2 排出を他に負わせることである。
    「排出量取引」は,この構造を隠蔽することばである。
    CO2 排出を負った者に排出量超過の罰金が科せられるとき,彼らに CO2 排出をさせている者がこれを払うのは,「取引」ではない。