以下,「リチウム量」は,炭酸リチウムに換算した値。
自家用車の年間生産台数は
ひとは「ガソリン車はEVに替わるべき」と思っている。
そこで「EVの年間生産台数 6000万台」としよう。
バッテリーのリチウム含有量は、
よって,EVのバッテリー容量を平均 50 kWh とすると,「EVの年間生産台数 6000万台」で使われるリチウム量は,
( ( 0.85 × 50 ) × ( 6000 × 104 ) ) kg = 255 万トン。
リチウムの年間生産量は,つぎのように推移している:
そこでEVバッテリ以外のリチウム需要を,年間45万トンとしよう。
EV分と合わせて年間
埋蔵リチウムは,
これにに合わせて,リチウム生産をつぎのようにする:
「年間300 万トン産出のうち,
65 % ( = 195 万トン ) が,かん水から
残る 35 % ( = 105 万トン ) が,鉱石から」
1kg のリチウムを製造するのに必要なリチウム原料量 (収率100%として) は,
そこで,かん水の場合:
リチウム 195 万トンのかん水は
0.19 × 195 × 107 = 3.71 × 108 m3
かん水の天日蒸発池の深さを1m とすると,池の面積は
また,鉱石の場合:
リチウム 105 万トンの鉱石は
40 × 105 × 107 = 4200 × 107 kg = 4200 万トン
鉱石の採掘は,露天掘り。
仮に,鉱石1tあたり地殻を 10m立方=103 m3 を削るとしよう。
そうすると,年間 4200 万トンの鉱石産出では,地殻を
103 × ( 4200 × 104 ) m3
= 4.2 × 1010 m3
削ることになる。
掘削の穴は,浅い椀のような形になる。
掘削の深さが 100 m とし,掘削穴の縁の傾斜は考えないことにすると,4.2 × 1010 m3 掘削の穴の地上面積は,
( 4.2 × 1010 ÷ 100 ) m2 = 4.2 × 108 m2 = 4.2 × 102 km2 = 4300 km2
これは,福島県 (4217 km2) ほどの広さ。
計算上,露天掘りの穴が,年間これだけの面積ずつ拡がらねばならないというわけである。
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