Up リチウム採掘の自然破壊 作成: 2024-01-07
更新: 2024-01-07




    自家用車の年間生産台数は
    ひとは「ガソリン車はEVに替わるべき」と思っている。
    そこで「EVの年間生産台数 6000万台」としよう。

    バッテリーのリチウム含有量は、
    よって,EVのバッテリー容量を平均 50 kWh とすると,「EVの年間生産台数 6000万台」で使われるリチウム量は,
        ( ( 0.85 × 50 ) × ( 6000 × 104 ) ) kg = 255 万トン。


    リチウムの年間生産量は,つぎのように推移している:
    そこでEVバッテリ以外のリチウム需要を,年間45万トンとしよう。
    EV分と合わせて年間
        255 + 45 = 300 万トン。


    埋蔵リチウムは,
    これにに合わせて,リチウム生産をつぎのようにする:
      「年間300 万トン産出のうち,
        65 % ( = 195 万トン ) が,かん水から
        残る 35 % ( = 105 万トン ) が,鉱石から」


    1kg のリチウムを製造するのに必要なリチウム原料量 (収率100%として) は,

    そこで,かん水の場合:
      リチウム 195 万トンのかん水は
        0.19 × 195 × 107 = 3.71 × 108 m3
      かん水の天日蒸発池の深さを1m とすると,池の面積は
        3.71 × 108 m2 = 371 km2


    また,鉱石の場合:
      リチウム 105 万トンの鉱石は
        40 × 105 × 107 = 4200 × 107 kg = 4200 万トン
      鉱石の採掘は,露天掘り。
      仮に,鉱石1tあたり地殻を 10m立方=103 m3 を削るとしよう。
      そうすると,年間 4200 万トンの鉱石産出では,地殻を
        103 × ( 4200 × 104 ) m3 = 4.2 × 1010 m3
      削ることになる。
      掘削の穴は,浅い椀のような形になる。
      掘削の深さが 100 m とし,掘削穴の縁の傾斜は考えないことにすると,4.2 × 1010 m3 掘削の穴の地上面積は,
        ( 4.2 × 1010 ÷ 100 ) m2 = 4.2 × 108 m2 = 4.2 × 102 km2 = 4300 km2
      これは,福島県 (4217 km2) ほどの広さ。
      計算上,露天掘りの穴が,年間これだけの面積ずつ拡がらねばならないというわけである。