Up ログの保管期間 作成: 2009-01-08
更新: 2009-01-08


    ログは,危うい・怖いものである。
    ログの保管は,時効すなわち保管期間を定め,それを過ぎたものを消去するようにしなければならない。
    そして,保管期間も,できるだけ短くとるべきである。

    「保管期間をできるだけ短くとる」という考え方は,「管理社会」の考え方とは正反対のものであることに注意しよう。
    ここでは,国立大学のスタンスを「管理社会」のスタンスと対比的に理解する必要がある。

    「管理社会」は,ものごとを短いスパンで考える。
    例えば,<いま・ここ>に現れた一つの管理逸脱分子を処分しようとして,<既成・伝統>全体の変更を簡単にやってしまう。

    ものの意味や価値は,長いスパンの中では,大きく変わる。
    特に,ものの意味や価値は,振り子運動のように行ったり来たりしている。
    国立大学は,この振り子運動に翻弄されないスタンスを求め,これに立とうとする。 ものごとを長いスパンで見ようとするわけだ。

    ログは,<いま・ここ>に現れた一つの管理逸脱分子を処分しようとするために用いられる。 そしてこのとき,通信の自由を侵している。 ──「一つのために全体を損なう」の図になる。

    国立大学は,ものごとを長いスパンで考える立場に立つので,「一つのために全体を損なう」はやらない。 ログの意味・価値を大局的に考え,それに相応しい扱いをする。
    この扱いの一つが,「ログの保管期間をできるだけ短くする」である。