Up 「数とは何か?」への答え 作成: 2011-01-15
更新: 2011-01-15


    「数」の意味を
      自然数 → 整数 → 有理数 → 実数 → 複素数 → 四元数
      → 八元数 → 十六進数
    で追っていくと,「数」の意味として一貫して残るものが無くなる。 すべてに通底する意味を取り出しても,「数」の意味といえるほどのものにならない。

    現前の数に「数」の意味を追っていくときに一貫した意味が残らないのは,数導入の方法論がシフトしたり複線化したりするからである。
    方法論がシフト・複線化することで,「数」に一貫した意味というものが残らない。 特に,「数」は形式のことばでを定義するものにはならない

    数導入の方法論のシフト・複線化は,つぎのようである:

    1. 方向をもつ量の概念を立て,方向を 1次元 →2次元 → 3次元 と上げようとすると,正負の数 → 複素数 → 四元数 が応じる。
    2. 量の概念を 離散 → 順序稠密 → 完備 と拡張しようとすると,自然数 → 分数 → 実数 が応じる。
    3. 実ベクトルを量にして,実ベクトルの次元を 1次元 →2次元 → 3次元 と上げようとすると,実数 → 複素数 → 四元数 が応じる。
    4. 複素数の「複素」形式を拡張しようとすると,複素数 → 八元数 → 十六元数 が応じる。


    しかし,「数とは何か?」の問いが「量に対するところの数の意味は?」「数と量の関係は?」であるときは,<数は量の比>がこれの答えになる。(八元数・十六元数は,<量をもたない数>として,この問いに関わらない数ということになる。)

    <数は量の比>の答えの内容になるものは,《量の対象化と量の表現・計算に使われる》ものとしての数の形式である。
    これは,つぎのものである:


    そして,これから導かれる数本体 ( N, +, × ) の形式は,特につぎのものである: