- 「関数」は,言語の中に存在します。
実際,「関数」の実用の形は,リアルな機械やリアルな出来事の<設計図>ないし<概念図> (「スキーム」) というものです:
- このような形で関数と対応しているリアルな機械/出来事の方は,関数ではありません。
リアルな機械/出来事を「関数」にしようとすると,<存在>の問題が生じます ( 荒唐無稽)
- 例:言語の中では,
- 平成年と西暦年の対応は,関数です。
- 2004年度北海道教育大学岩見沢校「数学科教育法I」の受講生の氏名と学生番号の対応は,関数です。また,その氏名と大学に届け出ている現住所の対応も関数です (現住所に2つの住所を届けている人がいたら,関数ではなくなりますけど)。
しかし,この対応をリアルに考えはじめた途端,<存在>の問題が生じます。
- この場合の<存在>の問題は,何が正しい・何が誤りという問題ではありません。
「踏み込んだことが間違い」という種類の問題です。
実際,これは,哲学の存在論という分野を形成しているひじょうに古典的な問題です。
関心のある方は,この辺から入ってみてはいかが:
- Wittgenstein, L. : 「哲学的考察」
- Rorty, R. : 「哲学の脱構築:プラグマティズムの帰結」(お茶の水書房),「連帯と自由の哲学:二元論の幻想を超えて」(岩波書店)
- 柄谷行人 : 「探究 2」(講談社)
- 丸山圭三郎 : 「欲望のウロボロス」(勁草書房)
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