「cはaとbの公約数」には「a+b ⊂ c」が対応する(註)。
そこで,「a+b ⊂ c」の を環一般に置き換えて,「cはaとbの公約元」を定義する。
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以下が,これの証明:
一般に,「cはnの約数」は「n ⊂ c」と同値:
n=c×n' なら,任意の m に対し n×m=c×n'×m ∈c──すなわち,n ⊂ c。
逆に,n ⊂ c なら,n∈ n ⊂ c より,n=c×n' となる n' が存在する。
よって,「cはaとbの公約数」は「a ⊂ c かつ b ⊂ c」と同値。
そこで「a ⊂ c かつ b ⊂ c」と「a+b ⊂ c」の同値を言えばよい。
(1) 「a ⊂ c かつ b ⊂ c」が「a+b ⊂ c」を導くこと:
a+b の元は,c の元の和。これは c に属する。
(2) 「a+b ⊂ c」が「a ⊂ c かつ b ⊂ c」を導くこと:
a = a+{0} ⊂ a+b ⊂ c。同様にして,b ⊂ c。
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