Up 貼り合わせ(「展開図」)


「展開図」の指導

  • 「部品 (パーツ) の貼り合わせ」も,モノに対する幾何学的な見方のうちの一つです。

  • 以下は,「パーツへの展開,パーツの貼り合わせ」の例です:



  • パーツへの展開,パーツの貼り合わせでは,「素材変形の自由度」が暗黙に考えられています。

    • 箱の形の展開図に折りしろを設けるときは,「折る」ができる素材を想定しています。 例えば紙であり,プラスチックではありません。
    • 円錐の展開図やつぎの発展問題1では,「曲げる」ができる素材を想定しています。 例えば紙であり,プラスチックではありません。
    • つぎの発展問題2では,「伸縮自在」を考えられる素材を想定しています。例えばゴム膜であり,紙ではありません。


  • 発展問題1:つぎの「貼り合わせ」では,どんな形ができるでしょう?
         (同じ色の辺を,矢線の方向が一致するように貼ってください)
          こたえ



  • 発展問題2:つぎの「貼り合わせ」では,どんな形ができるでしょう?
         (同じ色の辺を,矢線の方向が一致するように貼ってください)
          こたえ


  • 「展開図」の主題は,つぎの場合の「パーツへの展開,パーツの貼り合わせ」です:
      1. もとの図形:空間図形
      2. パーツ  :平面図形


  • 「展開図」を,全体で一つにつながっているものと思いこんでいる人が(教員の中にも)います。
    「つながっている」ことを肝心なことのように考え,つぎのようなのを「展開図」とみなしているわけです:


    このような思い込みは,もちろん誤りです。
    特に,「折り目」は「展開図」の本質的な要素ではありません。それは「貼り合わせ」の中途段階というべきです。

      実際,紙を素材にして展開図を考えるから「折り目」にしてしまうのです。
      プラスチック板を素材にしたとき,「折り目」を書きますか?そうはしないでしょう。プラモデルのように要素をバラバラにして,ノリシロを指示する方法をとるはずです。

  • 展開図の応用

    • 立体の表面上の2点間の最短距離を求める──この最短距離を示す線分を求める。












































  • 発展問題1 のこたえ

       ──→  「管」の形
       ──→ 
      「メービウスの帯」














































    • 発展問題2 のこたえ

         ──→ 
        「トーラス (torus)」
         ──→ 

        「クラインの壺 (Klein's bottle)」
        (画像は Mathematica で作成)