Up 量からベクトルへ──線型代数への展開:要旨 作成: 2011-01-03
更新: 2011-01-03


    「数と量」の理論の進展の方向は,新しい数と量の導入である。 そして,自然数→整数→有理数→複素数→四元数の流れでは,これ以降の進展は,実ベクトルを量にしたときのそのベクトルの次元を増やすというものになる。
    実際,四元数の後には,八元数,十六元数が続くというぐあいになっている。

    しかし,四元数以降の進展の方向は,ひどく難解でまた生産的なようにも見えない。
    どうしてこうなるかというと,量Qに対する数Nのつぎの要件 (量は1次元」の要件) が,ベクトルの次元を上げるときハードルが飛躍的に高くなるからである:
      「Qの任意の要素は,f() =1である ∈ Q に対し,
     × n,n∈ N の形に一意的に表される。」

    そこで,実ベクトルの表現・計算処理の方法を考える場合,これを量としない方法を考えることが,別の方向性になる。 そして,「線型代数への展開」が,これの実際的な方向性ということになる。