Up 四元数の学習意義 作成: 2007-10-21
更新: 2007-10-21


    ほとんどのひとは,四元数の実際使用と無縁です。
    また,四元数の学習は,簡単ではありません。
    しかし,数学教育の観点に立てば,四元数の学習は重要です。

    実際,数の学習が
      自然数 → 分数 → 正負の数 → 複素数
    と進むごとに,
      それまで「数・量」の含意と思っていたことが否定され,
      「数・量」の本質の見直しが行われる
    ことになりました。( 複素数の学習意義)

    そして,四元数に進むと,つぎのような事実を見出すことになります:

    1. 高次元ベクトルを「量」にする「数」拡張は,単純ではない。
    2. 「数の積 (=倍の合成) の可換性」は「数・量」の含意ではない

    特に,B より,つぎのことがはっきり理解されるようになります:

      数の積の順序をどうでもよいとする考えは,間違い