Up √2 に対応する Cauchy 列と Dedekind 切断  


    「数の拡張」の数学では,実数は有理数を素材にして構築されます。 そして,この構築方法に,Cauchy 列と Dedekind 切断の二つの方法があります。
    以下,無理数 √2 に対応する Cauchy 列と Dedekind 切断を示します。


    正方形の辺の長さと対角線の長さに対するユークリッドの互除法は,延々と続いて終わりません。そしてこれは,√2 が無理数であることの直接証明になっています。( √2 が無理数であることの証明

    いま,正方形の辺と対角線の長さ,互除法の中で現れる余りの線分の長さに,つぎのように記号をあてます:


    このとき,つぎの関係が成り立っています:



        の左辺は量の等式,右辺は数の等式。
        の右辺の「量/量」は,この2量の比になっている数。

    そしてこれから,つぎが導かれます:



  1. √2 に対応する Cauchy 列

    ここで,つぎの数列を考えます:


    これは,√2 に対応する Cauchy 列になります。


  2. √2 に対応する Dedekind 切断

    さらにつぎの集合をつくります:


    この2つの集合は,√2 に対応する Dedekind 切断になります。