Up 数学教育学はいかに (『4. 数学教育学の論法』):要旨 作成: 2015-11-20
更新: 2015-12-05


    本テクストは,数学教育学をつぎのように定める:
      世界    : 現前の「数学教育」
      数学教育学 : この世界の科学
    科学は,世界を<理が成っている形>と定め,その理を探求する営みである。
    上のように定めた数学教育学は,現前の「数学教育」を<理が成っている形>と定め,その理を探求する営みである。

    現前の「数学教育」を<理が成っている形>とする見方は,「生態系」である。
    よって,数学教育学は,生態系の科学ということになり,生態学である。
    こうして,「数学教育学は,数学教育生態学」となった。


    現前を<理が成っている形>と定めるのは,「現成論」である。
    科学は,現前を<理が成った形>と定め,その理を探求することを己の営みとするものである。 したがって,科学は現成論である。
    数学教育学は,現成論を行う。

    現前を<理が成った形>と捉えることは,現前の全肯定である。
    現成論は,現前の全肯定である。

    数学教育学は,科学/現成論として,現前の全肯定になる。
    「数学教育学」と数学教育学の本質的違いは,ここにある。
    「数学教育学」は,身分が「改良プロジェクト」であり,現前に対する批判を方法論にする。