Up 探求 : 要旨 作成: 2015-11-09
更新: 2015-11-09


    数学教育生態学である数学教育学は,「学会論文」にならない。
    即ち,数学教育生態学である数学教育学は,「学会論文」の規格である「リサーチ」に形を合わせることができない。

    学会員は,「学会論文」を生業としてつくる。
    数学教育学の方は,生業として立たない「探求」として行うことになる。
    学会員は,「学会論文」と「探求」の二叉をかける。
    こうして,学会員は,「学会論文」規格遵守の表裏として,「探求」の方法論を立てることになる者である。

    《「リサーチ」に形を合わせることができない》には,二通りの意味が立つ。

    「リサーチ」は,合理主義/表象主義/言語写像論が存在論になっている。
    これは,「分析と再構成」になる。
    「分析と再構成」は,複雑系に対するときは「塵を積んで山をつくる」になる。
    塵を積んで山はつくれないから,「探求」は「山の先取」(論点先取!) になる。
    「山の先取」は,実感論・経験論の趣になる。

    また,生態学の存在論は,系階層論である。 ( 『「系─個」存在論』)
    個は,系にシフトすると無くなる。
    言語は,この存在論に対応しない。
    言語が対応しない存在論を自身の存在論にする理論は,「曖昧」が特徴になる。
    その論述は,主観論・不可知論の趣きになる。