宇宙科学のテクストに
「宇宙の大きさは,自分からあらゆる方向に 465億光年」
の記述がある。
さて,これはどんな計算で出したもののか。
「宇宙の膨張」で,つぎを導いた:
「自分との距離が 1光年 の天体は,
自分から速度 (7.37 ×10−11) 光年/年 で遠ざかる」
これは,ハッブルの法則
\[
\frac{d}{dt}D \,=\, H\, D, \ \ \ \ \ H : 定数
\]
の H が
\[
H = 7.37 ×10^{-11} \ \ \ \left[ \frac{光年}{年} \frac{}{光年} \right] \\
\]
だということである。
ここで「宇宙の大きさ」を,
「宇宙の年齢138億年── (1.38×1010) 年──の間の膨張」
として計算する。
宇宙開始からt年後の<自分から宇宙の果てまでの距離>を D(t) 光年で表すと,
\[
D(a) = \int_0^a H\, D(t)\, dt = \int_0^a 7.37 ×10^{-11} D(t)\, dt
\]
この D は,つぎの形の関数である ( 「指数関数の特徴づけ」):
D(t) = eHt+ C
H = 7.37 ×10−11
ここで,D(0) = eC を A とおく:
このとき,
\[
D(138億) = \int_0^{1.38 \times 10^{10}} A\, e^{Ht} dt
\\= A \big[ \frac {e^{Ht}}{H} \big]_0^{1.38 \times 10^{10}}
\\= A \times \frac {e^{7.37 \times 10^{−11} \times 1.38×10^{10}} - 1 }{7.37 \times 10^{−11}}
\\= A \times \frac {e^{1.02} - 1 }{7.37 \times 10^{−11}}
\\= A \times \frac {2.77 - 1 }{7.37 \times 10^{−11}}
\\= A \times \frac {1.77}{7.37} \times 10^{11}
\\= A \times (2.4 \times 10^{10} )
\\= (2.4 \times A ) \times 10^{10} \,(光年)
\\= 240 \times A \,(億光年)
\]
素人計算でやってみたわけだが,
「宇宙の大きさ 465億光年」の「465億」と桁数が同じ値
「宇宙の年齢138億年」の「138億」より大きい値
くらいは D(0) =A を1(光年) にとれば得られるということで,いちおう様になっている。
実際,式「D(138億)=240×A (億光年)」は,「宇宙の大きさ」が「膨張開始」の値設定に決定的に依存するものであることを示す。
そして「膨張開始」の値設定は,所詮信仰問題なのである。──「ビックバン」教。
|