Up 「特産品」の虚構 作成: 2023-04-08
更新: 2023-04-08


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読売新聞, 2023-02-08


読売新聞, 2023-02-08

      読売新聞, 2023-02-12
    大間マグロ漁獲未報告、配分枠に不満で常態化か…
    「うわさあった」不審感じていた漁師も
     ‥‥ 
     青森県は21年度当初の漁獲枠約710トンを県内37漁協に配分。3割近い約200トンを割り当てられた大間漁協は実績に基づき漁師に分配した。ただ、数百キロ〜5トン以上と差があるため不満を漏らす人もいる。ある漁師は「1トンの枠なんてすぐに埋まる」とため息をつき、別の漁師は「船に群がる大量のクロマグロを釣れないのは悔しい」と語る。
     ‥‥  

      読売新聞, 2023-02-09
    大間町、返礼品のマグロ中止…
    漁獲量未報告業者が取り扱う
     青森県大間産クロマグロの漁獲量未報告事件を受け、大間町はふるさと納税の返礼品にしているクロマグロの発送を取りやめた。返礼品のクロマグロは全て、漁業法違反容疑で逮捕された男2人が経営する水産会社2社が扱っていた。町の担当者は「返礼品が漁業法で定められた漁獲枠内で取れたクロマグロかどうか確認できないため」としている。
     町のふるさと納税は、2万円以上を寄付すると大間産クロマグロの赤身や中トロをセットにした返礼品がもらえる。‥‥


    ふるさと納税返礼品との絡みは,利尻島のウニのケースを想起させる。
    <申込みに応じる>を務めにすると,こうなってしまうというわけである。

    ひとは「特産品」を,<その地に有ることがアタリマエの物>のように思う。
    「特産品」を商売にする方も,このように見せ掛ける。
    こうして人気「特産品」の商売は,必ず<供給できない>に至る。
    そして,禁じ手を使ってしまうことになる。


    禁じ手を使ってしまうのは,禁じ手の使用への圧力があるからである。
    圧力をかけているのは,「特産品」の意味を考えることのない者たちである。

    「特産品」とは,流通において<地方>が存在した時代は,「その地に行かねば得られない品」のことである。
    流通において<地方>が存在しないいまの時代は,「希少品」のことである。
    よって,「高価な品」となるものである。
    そのようなものをふるさと納税の返礼品にしたら,利尻や大間のようになる。


    「観光立国」は,この危うさがはじめから含蓄になっている。
    観光を「特産品」で商う者は,これで自分の身を切ることになる。

    例えば,北海道観光のアイコンの一つになっている毛ガニは,乱獲がたたって,漁獲量がつぎのように推移している (数値の単位はトン):