Up 地方は被災すると消滅する 作成: 2023-03-10
更新: 2023-03-11


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読売新聞, 2023-03-07



    帰還者を必要とするのは,その地が職場の公務員である。
    帰還者を求めるのは,公務員エゴである。


    地方の住人は,つぎの3種類である:
    1. その地の自然・不動産で生業を立てる者
    2. 彼らを顧客とした商いをする者
    3. 住民サービスが仕事の公務員 (学校教員を含む)

    a は,後継者をつくれず,高齢者ばかりになっていく。
    bは,aが相手の商いが成立しなくなり,その地から撤退する。
    cは,その地にいることが生業なので,その地に固着する。

    この地方は,被災によってたちまち消滅する構造にある。
    復興は,成立しない。
    被災者は,その地を離れるからである。
    その地にこだわるのは,aとcの者である。
    こうして,そこは高齢者と公務員だけがいるところになる。


    復興は経済的にも成立しない。
    復興は,コストパフォーマンスにおいて,割が合わないからである。

    「復興は成立しない」は,だれも言わない。
    これを言うことは不正義・非道になるからである。
    そして,「復興」は商いになるからである。
    実際,「復興」は強力な利権を形成する。

    この勢力は,「復興」の正義キャンペーンを展開する。
    メディアは「復興」正義キャンペーン勢力のうちであり,彼らが欲する声を発してくれる被災者を見つけて,その者の声を流す。
    被災に対し第三者である大衆は,このキャンペーンにすっかり騙される。


    被災者は,そのようなものではない。
    被災するとは,その地を去ることである。
    彼らは,「復興」を待つようなことはしない。

    実際,復興を待つとは,これを自分の生活のポーズにできるということである。
    そしてこれができるのは,社会から退役した高齢者だけである。


    地方は,被災すると高齢者が残るだけになる。
    こうして,つぎの結論になる:
        《地方は,被災すると消滅する》


    註: 年寄りは,メディアや利権に何かと利用される。
    メディアは,「高齢者を守る」キャンペーンをするが,それは彼らに都合のよい「高齢者」像を大衆に洗脳しようとしているのである。
    実際は,歳をとるとは,この世に対する未練を無くしていくことである。
    自分の体の衰えをあたりまえとし,早晩死ぬだろうと思うことなのである。
    メディアや利権に利用されて長生きさせられたいとは思っていない。