Up アルカロイド alkaloid 作成: 2021-11-29
更新: 2021-11-30


    以下,Wikipedia「アルカロイド」から引用:

  • 天然由来の有機化合物で,窒素原子を含み (ほとんどの場合) 塩基性を示すもの,の総称
  • 多くのアルカロイドは他の生物に対して有毒。
  • 現在、近似種を含め約数千種があるといわれている。

  • 高等植物はおよそ10から25%の種がアルカロイドを含んでいる。
  • 基本的に植物は、体の中に何種類ものアルカロイドを保持している。
    同一の植物に含まれるアルカロイドは化学的に近い性質を持つものであることが多い。
    植物がその体内に保持しているアルカロイドの中で、比較的含有量が多いものは主アルカロイド、それに伴う幾種ものアルカロイドが副アルカロイドと呼ばれる。
      例えばケシの実から作られるアヘンには、モルヒネ、コデインなどをはじめとして約20種が含まれる。

  • アルカロイドは主に顕花植物、殊に双子葉類の植物に見出される。
  • 体内にアルカロイドを含有する植物としては主に、キンポウゲ科、ケシ科、ナス科、ヒガンバナ科、マメ科、メギ科、ユリ科、トウダイグサ科、ウマノスズクサ科などがある。

  • アルカロイドの例
    アコニチン トリカブトに含まれる猛毒成分
    アトロピンベラドンナなどのナス科植物に含まれる猛毒成分。
    パーキンソン病、サリン、VXガス中毒の治療に使われる
    アリストロキア酸ウマノスズクサ類に含まれる
    アレコリンビンロウに含まれる。
    興奮、刺激、食欲の抑制作用あり
    エフェドリン麻黄に含まれる。
    鎮咳効果あり
    カフェインコーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。
    中枢神経興奮作用あり
    カンプトテシン
    キニーネキナの皮に含まれる。
    マラリアの特効薬として使われる
    クラーレアマゾンで矢毒としてつかわれた
    コカインコカから抽出。
    中枢神経興奮作用あり
    コルヒチン イヌサフランに含まれる
    痛風の特効薬
    シロシビンシビレタケ属ヒカゲタケ属に含まれる成分
    スコポラミンナス科ハシリドコロなどに含まれる成分。
    交感神経抑制。
    主に乗り物酔い止め薬として使われる
    スワインソニンアメリカホドイモの莢に含まれる成分。
    ストリキニーネマチンに含まれる成分
    セダクリプチン
    ソラニンジャガイモの芽や皮に含まれる
    タキシンイチイの果肉を除く部分に含まれる
    テオフィリン利尿薬、気管支喘息治療薬
    テオブロミンカカオに含まれる成分
    テトロドトキシンフグなどが持つ猛毒成分
    トマチントマトの花、葉、茎、未熟果実に含まれる。
    トマトの害虫忌避成分。
    人体へは腹痛下痢等の症状
    ドーパミン覚醒アミン
    ニコチンタバコ草に含まれる。
    喫煙による摂取では人体への影響は弱いが依存症になる傾向大
    ビンカアルカロイドニチニチソウに含まれる10種以上のアルカロイドの総称。
    ビンクリスチン、ビンブラスチンなどには細胞分裂阻害作用があり抗がん剤として用いられる
    ベルベリンキンポウゲ科オウレン、ミカン科キハダの成分。
    止瀉薬として使われる
    モルヒネアヘンより抽出されるオピオイド。
    中枢神経抑制、鎮痛効果あり
    リコリンヒガンバナ科の植物に含まれる毒・ヒガンバナ自身はガランタミンも含有
    サマンダリン主にイモリ科のファイアサラマンダー(Salamandra salamandra)の皮脂腺に含まれる


  • 参考文献
    • 船山信次
      • 『絵でわかる薬のしくみ』, 講談社, 2020.
      • 『毒の科学──毒と人間のかかわり』, ナツメ社, 2013.
      • 『民間薬の科学』, SBクリエイティブ, 2015.
    • 鈴木勉[監修]『毒と薬』, 新星出版社, 2015.

  • 参考Websterサイト