- 私は,減速直進運動する平板の上に立っている。
この私は,私を倒そうとする力Fを受ける。
Fの方向は,平板の進行方向の逆である。
私はFを相殺するために,平板の進行方向に体を傾ける。
- 私は,平板の上で,平板上の1点Oを中心とした等速円運動をしている。
この私は,私を倒そうとする力Fを受ける。
Fの方向は,Oから私に向かう方向である。
私はFを相殺するために,O側に体を傾ける。
- 平板が,面と垂直な直線Lを軸にして,自転している。
私はこの平板の上で,Lの足Oに向かって直進している。
この私は,私を倒そうとする力Fを受ける。
Fの方向は,Oから私に向かう方向である。
私はFを相殺するために,O側に体を傾ける。
以上の現象は,「慣性」で説明される。
力Fは,「慣性力」のことばで括られる。
私を倒れる格好に強いるダイナミクスは何か?
- 私は,平板の直進方向と同じ方向に動いている。
私の速度は,慣性によって,減速する平板の速度を上回る。
そのため私は,平板の直進方向に倒れる格好になる。
この慣性力に対する呼び名は,特に無い。
- 円運動する私の運動方向は,円の接線方向を向いている。
円運動では,この方向が変化する。
慣性によって,私はこの変化に後れる。,
これが,Oに対して逆方向に倒れる格好になる。
この慣性力は,「遠心力」と呼ばれる。
- 私がOを中心に回転している速度は,Oに近づくほど小さい。
Oに向かっての直進は,回転速度の減速を含む。
慣性によって,私はこの減速に後れる。
この後れは,ほぼ回転方向に倒れる格好になる。
また,Oに向かって直進する速度ベクトルは,平板の自転によって向きを変える。
私は,その変化の向きに倒れる格好になる。
そしてこれは回転方向に倒れる格好の部分と相殺される。
結果として,Oに対して逆方向に倒れる格好だけが残る。
「コリオリ力」は,二つの倒れる格好のうちの前者に対して与えられる名前である。
二つの倒れる格好は,切り離されるものではない。
特に,「コリオリ力」は単独で存在する力ではない。
ここでは「コリオリ力」を2次元の自転体で説明したが,「コリオリ力」は3次元の自転体でも同様に定立される:
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