|
宮原 (2014), pp.97-99.
炭素14もベリリウム10も、太陽活動の変動の情報を間接的に示していますが、濃度の絶対値は物質循環の変化の影響を受けてしまうことが多々あります。
たとえば、炭素14の場合は、気候が変わることによって海洋循環のスピードが変わり、生成された炭素14が海洋に取り込まれる効率が変わることで大気中の濃度が変わってしまいます。
炭素14をあまり含まない二酸化炭素が海洋から放出されることによって、濃度が下がってしまう可能性もあります。
一方でベリリウム10の場合は、気候が変わることで地球全体での大気の流れや速度が変わって、ベリリウム10が極域から中緯度・低緯度へ、あるいは低緯度から極域へ伝搬される効率が変わったりすることの影響が考えられます。
‥‥‥
気候変動の影響のほかに、地磁気の影響があります。‥‥‥
地磁気の変動の情報を炭素14やベリリウム10のデータから取り除く方法としては、海や湖などの底の地層に残された残留磁気を測定して地磁気強度の変動を復元し、炭素14やベリリウム10の変動から地磁気変動の成分を差っ引くという方法が取られています。
|
|
- 引用文献
- 宮原ひろ子 (2014) :『地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか』, 化学同人 (DOJIN選書), 2014.
|