Up 波動の図の次元 作成: 2019-06-15
更新: 2019-06-15


    ここまでに,波の伝播の絵をいくつか示してきた。
    その波は,媒体の運動が現す波である。
    ──実は,波には,電磁波のように媒体がない波──媒体不明の波?──もある。( 電磁波)

    それらの絵は,媒体を点集合に見て,この点集合の形 (波形) が時間の進行とともにどう変化するかを,描いたものであった。
    これは,座標空間の上のグラフとして表せる。

    座標空間の軸は,(1) 媒体の存在する空間の軸と (2) 時間軸である。
    波伝播の絵は,時間tの波形グラフ Ft を時間軸方向に束ねるイメージになる。
    ひとのリアルな空間認識は3次元までであるから,この絵は波形表現を2次元までに収められる場合にリアルとなる。

    例えば,縄の端を上下させてできる波は,波形表現を2次元までに収められるから,波動を3次元の絵図に表現できる。
    水面の波は,波形表現が3次元であるから,波動表現は4次元,一つの絵図への表現は無理となる。ただし,水面に垂直な断面をとって,これの水面に現れる波動の絵に代える,というやり方がある。

    上の2例は横波であり,横波だと波形の絵図は2次元以上になる。
    絵図を1次元に収められるものは,縦波の場合になる。
    例えば,バネがつくる粗密波は,波形の粗密の表現に線の色の濃淡を使うことで,波動を2次元の絵図に表現できる。