Up <連動>の力学 作成: 2017-10-27
更新: 2017-11-03


    ここに,玉が横一列に並んでいる。
    玉は,左の玉の動きにつられて動くという性質をもつとする。
    このとき,左端の玉 (Aとする) が動くと,その動きは右の方に伝わっていく。

    この現象は,「波」である。
    そして玉がこのときの「波の媒質」ということになる。


    Aが上下に動くと,上下に動く運動が右の方に伝わっていく。
    形としては,山谷の繰り返しになる。
    Aが左右に動くと,左右に動く運動が右の方に伝わっていく。
    形としては,粗密の繰り返しになる。
    前者は,玉の運動の向きが波の進行方向に対して垂直である。
    「進行方向に垂直」を「横方向」と見なして,この波を「横波」という。
    後者は,玉の運動の向きが波の進行方向と同じである。
    「進行方向と同じ」を「縦方向」と見なして,この波を「縦波」という。




    上の2つの波は,Aの運動が1次元である。
    そこで,Aの運動が2次元である場合も,チェックしておこう。
    つぎは,2次元運動の最も単調な場合である:
      Aが,玉の横一列方向と垂直な面で,円運動をする。
      この運動は右の方に伝わって,螺旋形の波を現す。

    Aの運動は,3次元でもかまわない。
    また,上の例では「波」らしい絵をつくるためにAの運動を<繰り返し運動>にしたが,<繰り返し>は波の要件ではない。
    要は,Aのどんな動きも,右の方に伝わっていくわけである。