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大杉·他 (2024), p.173.
岩石の化学的風化あるいは溶解が起こると,アルカリ ( \( OH^- \) ) が生産される.
石灰岩や蛇紋岩は,溶解速度が速いため,これらが土壌に含まれるとアルカリ性土壌になりやすい.
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同上, p.143.
高温・高圧・還元的・無水の条件下で生成した一次鉱物の多くは,その環境では安定相であっても,地上の常温・常圧・酸化的で水が豊富に存在する環境では安定相ではなく,より安定な状態に向かつて化学変化を起こし,その過程で二次鉱物が生成される.
この反応には,以下のようなものがある.
\[ Ca Al_2 Si_2 O_8\ (灰長石) + 3H_2O \\
→ Al_2 Si_2 O_5 (OH)_4\ (カオリナイト) + Ca^{2+} + 2OH^-
\]
\[ K (Si_3 Al) Al_2 O_{10} (OH)_2\ (白雲母) + 10 H_2O \\
→ 3Al (OH)_3\ (ギブサイト) + K^+ + OH^- + 3 Si (OH)_4
\]
このように,一次鉱物は水と反応することによって二次鉱物を生成するとともに,通常 \( Ca^{2+},Mg^{2+},K^+ \) などの金属陽イオンを放出し,同時にその電荷を補う分の OH- イオンを生成する.
すなわち,一次鉱物はアルカリ (ブレンステッド塩基) である.
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- 引用文献
- 大杉立・他 (2024) : 大杉立・堤伸浩 [監修] :『土壌学』(朝倉農学大系 9), 朝倉書店, 2024.
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