Up 根毛の総本数の求め方 作成: 2024-03-19
更新: 2024-03-19


根毛の総本数,総延長,総表面積

    根毛の総本数を求めるのに要する専門性──というものは無い。
    専門性を言うなら,途方も無いことを観念してやろうとするのが,専門性である。
    一般人は,途方も無いことをしようとは思わないから。

    <数える>は,整列させて数えるである。
    根毛の総本数を数えるときの「整列」は,
      根の分枝点で枝を切る。
      これを,末端の1本の枝になるまで続ける。
      根毛はこの枝についている。
    また,整列に併せて,根毛の平均長さを見積もる。

    そして「数える」は,
      各末端枝で,根毛の本数 (平均長さに換算) の分布を求め,本数を積分計算する。
      そして総本数を,各値の総和として計算する。


    要点は,以上を大雑把にやることである。
    ステップ数イコール時間であるから,極力ステップ数を減らすことを工夫する。

    枝を切るときは,根元に近い方から順にやっていく。
    この各段で,つぎを行う:
      切った枝を,「ほぼ同形」で分類する。
      各類から代表1本をとり,これをつぎの「根元に近い方から順に切る」の出発点にする。
    併せて,同形が現れるたびに類に括り,代表1本をとる。
    行った分類は,その都度記録しておく。
    そして,末端枝の同形分類で終わる。

    末端枝の各類の代表に対し,根毛の本数 (平均長さに換算) の分布グラフを階段関数 (ヒストグラム) でつくる:

    ここで各区間の根毛の本数は,区間の毛根断片の桂剥(かつらむ)きのイメージで,(本数/単位面積) × 面積 で計算する。

    このヒストグラムから,末端枝の根毛の総数が求まる。
    最後に,分類の記録を遡行することで,根毛の総数が計算できる。


    極力「大雑把」を工夫しても,たいへんな作業である。
    爪楊枝のスケールだったら「全体の重さ÷1本の重さ=総数」が使えるが,根毛には使えない。
    もっとうまい方法といったものは存在しないので,観念して取り組むのみ。
    繰り返すが,途方も無いことを観念してやろうとするのが,専門性である。