- 根毛の長さ・太さ・本数密度
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Vincent (2017I, p.62
Dittmer (1949) quantified root hair characteristics in twenty angiosperm families and found the range
in length to be 80–1500 μm and
in diameter to be 5–17 μm, though most were 12 μm or greater.
Similarly, Yamaguchi (2002) found average rice root hair
diameter to be 10 μm,
average lengths approximately 300–400 μm, and
density of 300 hairs per mm of root.
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- 根毛の総本数,総延長,総表面積
和田信一郎『土壌学』, 4.1.1 植物根, p.36
いくつかの作物の根,根毛の長さ (単位 km) とその表面積 (単位 m2)
原典: Dittmer,1938)
面積 1m2, 深さ15cm の表土あたりの量に換算
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作物 |
根 |
根毛 |
土の体積に対する 根の体積分率 |
長さ |
表面積 |
長さ |
表面積 |
エンバク |
9.9 |
7.0 |
1700 |
74 |
0.43% |
ライムギ |
13.8 |
10.9 |
3470 |
164 |
0.86% |
ケンタッキー ブルーグラス |
82.9 |
45.9 |
11100 |
338 |
1.90% |
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Wikipedai「根毛」
根毛は非常に細く大量に生じているため、根に大きな表面積を提供している。
ふつう根毛は、根の表面積の 70–90% を占めている [池内他,2018]。
発芽後4ヶ月目のライムギ (イネ科) の個体では、根毛の数は140億本、これをつなぐと長さ1万キロメートルに達するとされる [池内他,2018]。
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『生きている土壌』, p.74
ライムギでの研究によると、総根数は1300万本、総延長は600kmとなっている。
1株のライ麦の根には、極微な根毛がほぼ140億本(!)ついていると推定される。
この根毛をつなぎ合わせると全長で10600kmにもなり、これは地球の北極と南極の間の距離に当たる [これは間違い]。
この途方もない根や根毛の長さは、植物が湿度と養分をもとめて土壌中のあらゆる空間を探し求める努力の結果なのである。
根毛の発生する根の部分では、1m㎡あたりにして400本にも及ぶ根毛があるとみられている(パウリ,1988による)。
これらの根毛の微細な組織は植物の吸収器官、いわば植物の口であり、人間の腸の絨毛に当たるものだ。
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「根毛140億本をつなぐと1万km」
にわかには信じがたい。
ということで,このときの根毛1本の長さを計算してみる:
1万km
= 107 m
= 1010 mm
140億 = 140 × 108
= 0.14 × 1011
1010 ÷ (0.14 × 1011 )
= 7.14 × 10(10 - 11)
= 0.713 mm
= 713 μm
確かに計算は合う感じである。
根毛の総延長・総面積は,つぎの3つを決めれば,計算で求まる:
- 根毛1本の平均長さ
- 根毛1本の平均太さ
- 根毛の総本数
根毛の長さ,太さは計測できそうである。
問題は,総本数をどう決めるかである。
「根毛の数は140億本」と言っているが,もちろん数えているわけではない。
数えたら,1秒に1本として,1年で
3600 (本/時間) × 24 (時間/日) × 365 (日) = 3153万6千 本
。
よって,140億本を数えるには
かかる。
そしてこれは 1日中数えた場合であって,1日8時間だったら 444 年の3倍。
では,総本数はどんなふうに求めることになる?
<つぎを<大雑把にやる>──このやり方しか無い:
- 根全体における根毛の密度分布を実測
- この密度分布を,根の表面全体にわたって積分
根毛の総本数の求め方
- 参考Webサイト
- 参考文献
- Dittmer, H. J. (1938) : A quantitative study of the subterranean members of three field grasses. Am. J. Bot. 25, 1928. pp.654-657.
- 池内他 (2018) : 「35 維管束植物の構造、生長、発生」
池内昌彦, 伊藤元己, 箸本春樹, 道上達男 [監訳]『キャンベル生物学 原書11版』, 丸善出版, 2018, pp. 869–897
Lisa Urry, Michael Cain, et al. : CAMPBELL BIOLOGY, 11th edition, 2016.
- Erhard Hennig : Geheimnisse der fruchtbaren Böden。
Organischer-Landbau Verlag Kurt Walter Lau, 1994.
中村英司[訳]『生きている土壌』, 日本有機農業研究会, 2009.
- C.Vincent et al. (2017) : A high-throughput method to quantify root hair area in digital images taken in situ
Plant Soil, 2017, pp.61-80.
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