Up アニミズム 作成: 2018-05-31
更新: 2018-07-03


    存在に生命体を見る。
    この思考形態をアニミズムという。

    なぜ存在は生命体のように見えるか。
    自己組織化する系だからである。
    アニミズムは,<自己組織化する系>を<生命体>に短絡する思考形態である(註)


    <自己組織化する系>に生命体を見るとき,その生命体は「霊」とか「神」の顕現の趣きになる。
    なぜなら,それは通常の生命体とは違う不思議なものである。
    生活が翻弄される存在に対しては,これの「支配」を感じる。
    日々の生活に係わる存在に対しては,これの「御蔭」を思う。
    このような存在は,「霊」「神」の身分になる。

    自然に「霊・神」を想う者は,外国の合理主義の攻勢を感じるとき,自国を「神の国」にする。
    本居宣長の「皇大御國」はこれである。
    そしてさらに生命体を重ねると,「國體」思想になるというわけである。