Up 「葉の裏面は白っぽい」 作成: 2019-07-30
更新: 2019-07-30


    葉に光があたる。
    光は,葉の中に入り,組織の中で乱反射する。
    この過程で,一定波長の光が組織 (葉緑体) に吸収される。
    そして,吸収されなかった光が,葉の外に出る。
    ──緑の葉は,緑が吸収されない光だということを示している。

     註: 光は,エネルギーである。
    光の「吸収」の意味は「他のエネルギー形態に変化」であり,葉の場合は「化学エネルギーに変化」である (「光合成」)。


    葉の組織は,(おもて)面に近い方が密 (柵状組織) で,裏面に近い方が疎 (海綿状組織) である。
    後者は,空隙を空気が占める。
    そのため,光の散乱が前者と比べて多い。
    これは葉緑体を通らないで外に出る光が多くなるということである。

    こうして,葉の裏面から入り返される光は,葉の(おもて)面から入り返される光と比べて,波長分布がなだらかになる。
    これは,葉裏の色が,葉表の色と比べて白っぽくなるということである。

     註: 海綿状組織の空隙を水で満たせば,空気のときよりも,光の散乱が減り,葉緑体を通る光が多くなる。 葉裏の色が葉表の色に近づく。