Up 自分の身丈に合わせる 作成: 2019-09-18
更新: 2019-09-18


    存在に対しては,存在の姿を思う。
    この「姿を思う」のうちには,「大きさを自分の身丈に変換する」というのがある。

    小さいものは,拡大の方法を用いて,自分の身丈の現象に変える。
    大きいものは,縮小の方法を用いて,自分の身丈の現象に変える。


    「すごく小さい」「すごく大きい」は,この方法が苦しくなる(てい)である。
    「小さ過ぎる」「大き過ぎる」は,方法が立たない体である。

    「方法が立たない」は,3通りの意味が立つ:
    1. その存在の姿の拡大/縮小は,現有の技術では無理
    2. その存在の姿の拡大/縮小は,方法が原理的に立たない
    3. その存在の姿の拡大/縮小は,概念がそもそも立たない
    ここで,b と c の差は微妙である。
    実際,二つを同じとする立場はあり得る。


    姿は捉えられないが存在は確信しているとき,その存在の表現へと考えが向かう。
    その表現は,論理的表現ということになる。
    ここに数学が言語になる。
    数式や幾何学的図式を表現スタイルにしていく。

    この表現は,カテゴリーとして「モデル」である。
    例えば,「小さ過ぎる」の場合になる原子や「大き過ぎる」の場合になる宇宙の表現は,「モデル」ということになる──「原子モデル」「宇宙モデル」。


    なお,幾何学的図式は,親しみやすいがミスリーディングだということに,注意を要する。
    「モデル」の方法論を知らない者は,拡大/縮小図と受け取ってしまうからである。