Up 国立大学の緊縮財政の意味を知る 作成: 2010-09-12
更新: 2010-09-12


    国立大学の財政は,国の財政と一体である。 特に,国の緊縮財政には国立大学の緊縮財政が応じる。 肝心なのは,緊縮財政の正しい理解をもち,緊縮財政を正しく行うことである。

    国は,緊縮財政の課題に対し,本務・本業を外れる利潤追求業に自ら手を出すということはしない。 国立大学もこれと同様でなければならず,緊縮財政の課題に対し,本務・本業を外れる利潤追求業に乗り出すということをやるものではない。
    本務・本業に専念させるために,税金をこれに使う。 本務・本業への専念が必要であると考えるから,税金を使う。 緊縮財政の課題は,状況に合ったリーズナブルな税金の使い方である。

    国立大学の「法人化」では,《経営学の本の中の「企業」のことばを「国立大学」に置き換えれば,それがそのまま国立大学の行うべきことである》といったふうの思いが蔓延した。
    この思いは,完全に間違いである。 間違いであることは,「経営学の神様」のドラッカーに直接語ってもらうのがいちばん説得的かも知れない:

      公的機関は企業と同じようにマネジメントすれば,成果が上げられると,くどいほど言われてきた。これは間違いである。
      公的機関の問題は,なすべきことをしていないところにある。
       (ドラッカー『マネジメント』(エッセンシャル版) )