Up 生保・損保の不払い問題 (「特約」商品) 作成: 2006-08-03
更新: 2006-08-03


    この時点で,生保・損保会社の不払い問題が起こっている。
    問題の構図はつぎのようになる:

    1. 競争に生き残ろうとして,収支の根拠が曖昧な「特約」商品をいろいろつくった。
    2. 「特約」商品は基本システムをぐちゃぐちゃにして,現場社員にもわけのわからない仕事状況をつくった。
    3. 収支の根拠の曖昧性は,案の定,その通りに執行すれば赤字という結果になった。
    4. 「無い袖は振れない」が「不払い」「契約不履行」になって,社会から断罪・制裁を受ける羽目になった。


    法人化移行,大学は「特約」商品をいろいろ打ち出した。

      「地域に開かれた大学」「地域貢献・地域連携」
      「学生サービス」
      「多様な入試方法」
      「サテライト」
      「遠隔授業」
      「海外協力」
      「特任教授」
       等々

    「特約」商品に対しては本来さまざまな異論が立ち得るが,実際の推移は,他のたいていの組織で見られるものと同じであった。すなわち:

      異論を述べることを憚って,
      言われたことを受け入れ,
      新たに加わったこの仕事を務める (増える仕事量を甘受)


    「特約」商品は,コストや犠牲的な仕事の無理が続かなくなるとき,「不払い」「契約不履行」の態に至る。

    「特約」商品を打ち出す役割を自らに任じている者は,自分の役割に警戒と責任をもつ必要がある。そしてそのために,各商品の根拠・意義,コスト (含: 労働量) を,思考停止せずに,きちんと研究的スタンスで考察/計算し,そして独善に偏しないよう広く議論を展開する必要がある。