Up 「強化されたリーダシップ」「独善」「したい放題」 作成: 2006-01-06
更新: 2006-01-06


    「強化されたリーダシップ」の主題では,「強化されたリーダシップ」「独善」「したい放題」の区別が論点になる。

    先ず,「強化されたリーダシップ」は,当人に必ず感覚麻痺をもたらす。したがって,本来なら,「強化されたリーダシップ」が「独善」「したい放題」に堕することがないようにするための方策を,予め講じておく必要がある。

    実際,前提主義的な独善が組織風土になっているようなところでは,「強化されたリーダシップ」は瞬く間に「独善」に転じる。
    北海道教育大学では,2004年に学長職継続のために学長任期規約を変更するという事件があった (§ 学長選考会議による学長再々任決定の含意) が,これなどは「強化されたリーダシップ」が「したい放題」に堕した例になる。

    「強化されたリーダシップ」が「独善」「したい放題」に堕することがないようにするための方策は,組織員全員によるチェックの他はない。「組織員全員によるチェック」の装置になり得るものに,教授会や執行部へのダイレクトメールがある。


    「強化されたリーダシップ」と組織員全員によるチェックは矛盾しない。実際,「強化されたリーダシップ」も,当初は,自らのポリシーやプランのフィードバックとして組織員全員によるチェックを求めることを考え,実行に及んだりする。しかし,これは直ぐに止む。なぜか?

    愚かな「強化されたリーダシップ」は,組織員からのチェックを「いいとこ取り」のように使ってしまう。これが露骨に見えるので,組織員に直ぐに嫌われる。


    「組織員全員によるチェック」を用いる場合,それにはルールがある。
    先ず,「強化されたリーダシップ」は,組織員のチェック一つ一つに,きちんと回答する──「きちんと」の意味は「論旨および内容的にきちんと」。そしてその回答は,組織員全員に同報する。
    翻って,「組織員全員によるチェック」では匿名をいっさい排除することが必要。
    匿名には,当人が誰かを勝手に推量・誤解させるデメリットがある。そしてそもそも,組織員が「強化されたリーダシップ」にチェックを入れるのに,匿名である必要はない。それどころか,そのチェック入れは,組織員全員に同報すべきである。

      確認: 同報されないコミュニケーションは,「密室謀議」と変わらない。

    「きちんと回答する」の意味は,相手に対する礼儀なんかではない。きちんと回答するをしてはじめて,「強化されたリーダシップ」は自分のポリシーやプランを自身に対象化できるようになる。── これが,フィードバックの用い方。

    北海道教育大学の「強化されたリーダシップ」は,組織員全員によるチェックを,既にかなり前から閉じている。「勝手に言わせておく」という風にも見えるが,いまから開くは,当人においても気恥ずかしくてできないのだろう。

    繰り返すが,「強化されたリーダシップ」は感覚麻痺する。──古今東西,例は数多。
    北海道教育大学の「強化されたリーダシップ」は,「強化されたリーダシップ」「独善」「したい放題」の別を自らどのようにチェックしていくのだろう?