Up コミュニケーションの定位 作成: 2006-01-28
更新: 2006-01-28


    コミュニケーション・システムとしての大学は,一つの複雑系である。 コミュニケーションには,様々なレイヤー,グループ,ノード,リンクが要素としてあり,そしてそれぞれが動的に変化/変位する。
レイヤー化
 の例
{数学教育担当教員,講座教員,系教員,全教員}
{数学科教育法,指導法,専攻科目,専門科目,課程科目}
グループ化
 の例
{教育発達臨床,社会·言語,自然·生活,体育·芸術}
{教養科目,専門科目,自由選択科目}
{教員,事務員,学生}
多様なノード&
リンク発生の場
 の例
科目を新規に立てる
休講措置
学生の所属学習グループを決める分属作業

    大学で一つの事を起こすときは,「コミュニケーション・システムとしての大学におけるコミュニケーション・サブ・システムをつくる」という考え方をすることが肝要。そうすれば,設計・計画が自ずと精緻になり,関係する対象をしっかりとらえるようになる。

    逆に,「物をつくる・建てる・運ぶ」の思考でやると,必ず,コミュニケーション破壊の本末転倒をやる。物は,あくまでもコミュニケーション・システムのインフラ。箱に過ぎない。コミュニケーションを考えない箱作りは,理の当然として,使えない箱をつくって失敗に終わる。

    本館工事は,箱物作りのアタマで進められた。コミュニケーションを端から閑却しているため,案の定,教員養成課程を悲惨なまでにズタズタに切り裂いている。──このような教員養成課程は,少なくともわが国では,北海道教育大学岩見沢校でしかお目にかかれない。職員と学生は,希有な経験に感慨を深くして,しかと目に焼き付けておくとよいだろう。