Up 本分 (ファースト・プライオリティ) のとらえ 作成: 2006-01-09
更新: 2006-01-09


    よそに気に入られようとしてよそに振り回される者は,よそに振り回されることで消耗し自らを貧しくして終わる。

    外に対してきちんと勝負できるものを持ち,これを磨き,そして勝負する。これしかない
    愚かな者は,装飾にかまけ,中身の勝負を閑却する。

    大学が装飾で人を呼ぶことをしたら,それは<詐欺>。
    大学は,教育と研究の質で勝負する。


    さて,北海道教育大学の「教育」だが,学校教員養成課程では「学校教員養成」の質を高めることにファースト・プライオリティを置く──これはアタリマエ。また,「学校教員養成」の質を,「大学評価」として自ら評価にかけることになる。


    「学校教員養成」の質は,課程のアウトプットである学生の質で計られる。
    学生の質を計る機会・方法には,つぎのようなものがある:

    1. 大学での学習活動
    2. 教育実習
    3. 教員採用試験登録者数,本学占有率
    4. 本学出身の教員に対する教育現場での評価

    これらにおいて現状は:

    1. 大学での学習活動
      • 総じて,学力が低い
      • 勉強量が少ない
      • 勉強の仕方を知らない
      • 学習・研究活動への取り組みが甘い

    2. 教育実習
      • 主題研究の意味がわかっていない
      • 授業設計で<考える>ができない (考える手立て,フレームを持っていない)
      • 授業パフォーマンスにつながる学習経験が少ない

    3. 教員採用試験登録者数,本学占有率

        平成18年度北海道·札幌市公立学校
        教員採用候補者選考検査結果

        本学登録者/受検者内訳
        区分 教員養成課程 新課程 大学院等
        現役 155
        543
        27
        166
        25
        86
        207
        795
        既卒·修 380
        1507
        62
        310
        0
        0
        442
        1817
        535
        2050
        89
        476
        25
        86
        649
        2,612

        現役+既卒·修
        受検区分 受検者数
        (a)
        登録者数
        (b)
        登録率
        (a/b)
        本学占有率
        (b/b)
        小学校 1,434
        2,475
        407
        571
        28.4
        23.1
        71.3
        中学校 780
        2,827
        183
        353
        23.5
        12.5
        51.8
        高等学校 127
        2,222
        18
        132
        14.2
        6.0
        13.6
        特殊学校 123
        583
        29
        65
        23.6
        11.1
        44.6
        養護教諭 148
        440
        12
        19
        8.1
        4.3
        63.2
        2.612
        8,548
        649
        1,140
        24.8
        13.3
        56.9
        (赤色数字は,全体)

        学部現役 (教員養成課程+新課程)
        受検者数
        (a)
        登録者数
        (b)
        登録率
        (a/b)
        709 182 25.7


    4. 本学出身の教員に対する教育現場での評価
      • 道外出身者と比較すると見劣り


    人材育成の現状は,外に向けてあまり偉そうなことは言えるようなものではない。
    肝心な課題は,教員養成課程の本分 (ファースト・プライオリティ) における取り組み。──それは,教育のデザインを根底的に行うこと。
    この課題をきちんとクリアしたときには,北海道教育大学・学校教員養成課程は日本/世界で首席の教員養成大学になっている。──王道こそが,北海道教育大学・学校教員養成課程が歩むべき道。

    浮き足だったこと (§<浅薄>への感覚麻痺) はせず,先ずはしっかり本分に立ち返ることが必要だ。