Up 人材と教育·研究の力を大事にする 作成: 2005-12-25
更新: 2005-12-25


    大学の最も大事なシーズは,人材と,教育・研究の力。


    組織のシーズとして人材を正しく理解し大事にすることのできない人種は,確かに存在する。
    彼らは,人を駒として扱うことに馴れてしまう種類の経験を豊富にやってしまったため,人を切ったり取り替えたりを,造作ないもののように考える。そのコストの大きさを測れないのだ。

    幸いわたしは,
      有能な人が去ることによる損失・取り返しのつかなさ
      使われない箱物やシステムへの無駄遣い
      多様な個が集結したときの力の大きさ
    といったものを,いろいろ経験する機会に恵まれたので,コスト感覚には若干の自負がある。──そうでなければ,(無恥を押しても) このようなキツイ論考を重ねることは,さすがにできない。


    大学のシーズとして真に大事にし,真剣に考えねばならないものは,人と教育・研究力──コストが明らかに見えない反面,最もコストがかかっている部分。
    このコストのわからない人間を,ノーチェックにしてはならない。──コスト音痴の<執行部>をもつと,組織の破滅につながる。
    「ノーチェックにしてはならない」とは,「言論を以てきちんと対峙せよ」ということ。

    根気をもって言論を積み,地道に力に変えていくこと。
    実際,大学の中で<力>とし得るのは,言論しかない。大学人は言論の力を信じる必要がある。
    またこの意味で,大学は「言論の府」を自負する必要がある。

    (つづく)